遅れ先立つほどへずもがな

  きらきら輝き覚えた 君を見上げるように

電気代について一言だけ言いたい

専門家ではないので私が言うのは適当ではないかもしれません。その前提で読んでください。
原子力の稼働が多かったから電気料金が安いというのはたまたまそうなったという結果であって、原子力、火力、水力(揚水発電・動力含む)、再生可能エネルギーという選択肢が揃っているから需要に対する供給力に余裕がありしかも選択の自由度が高くて、たまたま化石系燃料の高騰に対して安価な発電が利用できたのだと考えてほしい。例えばもし100%を風力発電に頼っていると、風が吹かない日が続くと価格は高騰するし停電もするのです。その考え方によると供給力のポートフォリオが重要で、噂されている九州電力揚水発電所新設計画は、将来のポートフォリオの最適化を図ったと考えれば理解しやすい。少なくとも今後しばらくの間は電力は供給力の確保がマストで、コストは副次的に決まるものと思います。
ちなみにみなさんが考える供給力は各発電機の定格出力のことだと思います。しかし出力を任意に変更することのできない太陽光発電や風力はその定格出力だけでは議論できず、需要はそもそも変動するものであるため電力系統の運用には需要と供給のバランスが必須で、これはごく短時間の変動から季節を跨ぐ長い周期の変動までを含めて考えるべきで、それはすなわち様々な時間領域の調整力が必要だということです。ある程度kWhのバランスを決めてしまうと(kWhがバランスしないと停電する)kW(調整力としてのkWh含む)のバランスはその時点で利用可能な電源(ないし可能ならば需要)の調整力で決まるので、結果として電気料金(=コスト)は成り行きで決まるということです。カーボンニュートラル(CN)をもし真剣に考えているのなら、そこへたどり着く過程では燃料価格の動向や利用できる技術によって最適化されたコストがその時々の電気料金となるのです。
CNを含め将来をどうするのか、そのためには途中段階ではどんな技術を使用または開発するのかを決めて行かなくてはならず、それによりおのずと最適なコストも決まるという因果律を理解すべきだと思います。ポートフォリオ=電源ミックス(古い!)ですね。価格目標を設定してもそれは絵に描いた餅でしかなく、電力価格はその時代に決まってしまうものです。無理に価格をコントロールしようとすると、餅を喉に詰まらせることになりかねません。

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