遅れ先立つほどへずもがな

  きらきら輝き覚えた 君を見上げるように

収入増<物価高は淋しくすらある

今日近くの酒屋さんでいつもよく飲むワインを買うときに、何だか高いなと思いました。帰宅してから調べてみると、今年の3月22日に買ったときは2,288円(税込み)、4月28日には2,308円、そして今日は2,618円でした。3月時点から比べると14%強の値上がりです。先日のソニーヘッドフォンの値上げも16%程度でした。
一方、今年の年金額は昨年の年金額より2%程度増額になっただけです。前にも書いたように、年金額は68歳以上では物価上昇率マクロスライド分(今年の場合は0.6%)の計算により2.5%上昇した物価(この計算根拠がよくわからない)から0.6%が差し引かれた1.9%というのが正確な数字です。(67歳以下は賃金上昇率も考慮されるので2.2%)
上のワインのように、私の生活における実感としてこの一年で物価は15%程度は上昇しているはずです。しかしこの5月まで実施された電気・ガス料金の補助やガソリン代の補助により計算上の消費者物価は抑制されているという事実を忘れてはなりません。すなわち短期の補助を出すことにより物価上昇率が抑制され、予想された年金額の上昇を抑える効果が出ているのです。実に巧妙としか言いようがありません。
次回購入時には3,000円近くする高級(!)ワインは止めて、下の方に置いてあるお安めのワインにしなくてはなりません。年金生活者(私は老齢年金の支給年齢に達していないのでまだもらっていません)が生活を切り詰める(ワインの購入量は同じで単価を下げることが果たして「切り詰める」と言えるのかどうかは不明)ことにより、日本国内消費額が低下するので、消費量低下・生産流通コスト増となって、製造・販売サイドも含めて考えれば負のスパイラルになるかもしれません。
日銀が言うところの安定的な2%の物価上昇とは、実際の生活感としては15%の物価上昇なのでしょうか。すぐ海の向こうにある国の統計がテンプラの数字であると笑う前に、私たちが住むこの国の物価と国民の生活水準は正確に把握・評価されているのかを確かめた方がよいかもしれません。実はマイナンバーに他人(外国人)の口座が紐づけられていても認識できていない程度のデータ管理能力しかない国ではないことの確認が必要でしょう。

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