遅れ先立つほどへずもがな

  きらきら輝き覚えた 君を見上げるように

北海道の停電とレジリエンス

紋別周辺で昨日解消した停電がまた発生しています。

私は素人なので詳しくは北海道ネットワーク株式会社さんの発表を待たなければならないのですが、昨日の報道では鉄塔が1基倒壊した紋別東線から紋別線へ切り替えて送電することにより停電解消したとのことでした。

北海道ネットワークさんのホームページの公表資料によると、紋別東線は2回線容量が112MW(メガワット:11.2万kW)、運用容量は56MWとなっています。切替先の紋別線は1回線しかなく容量も40MWしかありません。北海道の一般家庭が朝の立ち上がり時間帯に平均どのくらいの電気の使用量があるのか私は知りませんが、仮に3kWだったとすると紋別線を全量使用しても40MW÷3kW≒13,333軒しか供給できません。現在の紋別市他の停電軒数が1万9500戸らしいですので、これはもともと朝の供給力としては完全に不足していたと言うべきで、北海道ネットワークさんは朝の電気使用量をなるべく抑えてほしいと宣伝しておく必要があったのかもしれません。

ただ、紋別市の今日の最高気温は1~2℃くらいしかありませんし、1日中曇りの予想なのでルーフトップ太陽光発電を含め太陽光発電はまったく期待できないため、朝だけではなく、終日節電(東京のような見せかけの節電ではなく暖房制御に用いる電気や最小限の電灯など本当に必須のものだけ。夕方だけクリスマスのイルミネーションを点けるというのなどは愚の骨頂)が必要ではないかと思います。不等時性を考慮しても最大でも1軒あたり2kW以下にしなければならないでしょう。最近はやりの大画面テレビは意外に大きな電力(60インチで平均200W以上らしい)を消費するので厳禁で、パソコンのゲームでは1kW程度を消費することもあるのでこれも禁止です。

最近のように既設の送配電設備に設備更新などの投資ができない状況では、鉄塔倒壊は希頻度としても、配電線の断線などは今後頻発すると予想されます。特に需要密度の少ない地域にお住まいの方や、場合によっては大都市でも地中送電線のトラブルなどで大規模停電する可能性がありますので、復旧までの間を快適に過ごすにはレジリエントな家(太陽光発電燃料電池+蓄電池など)を用意しておく必要があります。安心な生活は高くつきそうですね。

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初出記事では停電戸数を誤っていましたので、内容を一部変更しました。

紋別線は北海道の群部でときどき見る、2本の平行電柱で1回線(3相)を送電するタイプの送電線なのですね。倒木により1相断線となっているようです。足場は悪くなさそうですので機械が入れば早期復旧は可能かもしれません。