遅れ先立つほどへずもがな

  きらきら輝き覚えた 君を見上げるように

最後の砦は薄い段ボールの壁の強度

アイリスオーヤマのクローゼットチェストNSCLZ-503×2をヨドバシ・ドット・コムから買いました。これは外枠とポリプロピレンンの内箱を多段に組み立てて使用するクローゼット用の衣装箱です。大きさが我が家の少し変形のクローゼットのサイズにピッタリだったので、3段用が2セット入った当該商品を6段積みに組み立てて使用する予定でした。

メーカー取り寄せ品だったのですが、メーカーからヨドバシへの入荷は実質1営業日で結構迅速でした。翌日に我が家に届いた荷物の外箱にはちょうど中央の高さあたりに上下方向に潰れている箇所があり、適当な感じでガムテープで補修されていました。運送業者のお姉さんによると、うちで受け取った段階でこの状態だったので今すぐに開梱して中身が破損していないか調べてみて欲しい、もし破損している場合はうちで返送するということでしたので、箱を開けてざっと見たのですが、玄関先が薄暗かったこともあり特に異常があるようには見えませんでした。ハンコを押して荷物は受け取りました。

外箱に印刷された組み立て方法などを読んだ上で(これがちょうど補修されたガムテープの下になっており、テープを少し剥がして読んだ)、商品を取り出して詳細に調べてみるとチェストの外側の骨格にあたる部分の前方側角にひび割れがありました。ヒビは骨の半分程度まで入っており、早晩全部がひび割れて完全に破断することが予想される状態でした。

箱内の梱包は上下に2セットが入った構造になっており、チェスト内側の内箱3つを外骨3つが内包するよう配置されていました。ただ、内箱と外骨はずれた位置に積まれているため、梱包された箱内で上下方向の力を支えるものがない部分が前後の2か所に存在します。在庫や搬送の際に他の荷物を上部に積み重ねたときに外箱の薄い段ボールだけでその力を支えることになり、当然変形して箱は潰れ、中の商品にも歪んだ力が加わって応力歪みが集中する中の商品の角の部分が破損する、そんな機序で商品が傷むようです。

確かにamazonなどの評価を見ても、内容物が破損しているという意見がたくさんあるため、これは構造的な問題のようです。ヨドバシは比較的梱包に注意が払われているようで、これまでに破損した物が到着するということがなかったので、今回もあまり心配していませんでしたが、当該商品のようにメーカーが使用している外箱そのものが送られてくる状況ではヨドバシや配送業者の責任というよりも、メーカーの梱包自体に問題があるように思います。せめて歪み応力が集中しないように隙間に梱包材を挟むなどの処置が必要だと思われます。

ヨドバシに不具合の報告をすると当日の20時過ぎにメールで連絡があり返品・返金処理されることになりました。このあたりはさすが大手だけあって、対応が早くて助かります。本日中に返送する予定です。

ただ、箱が破損したのはメーカーの在庫時なのか、メーカーからヨドバシの倉庫までの搬送中なのか、ヨドバシの倉庫内の保管時なのか、ヨドバシから我が家までの搬送中なのかがよくわからないのがやや不満です。どこかで誰かが破損に気づき、ガムテープで補修している訳であり、その時点でヨドバシを通じて発注者に連絡があってもよかったのではと感じます。実際には壊れているかどうかは中を開けてみなければわからないのでその処理なり判断はある意味で妥当なのかもしれません。ただ、外箱の破損があった段階で商品としての価値はないと考えるのが自然であり、日本の社会の関心が品質から(安い)金額へとシフトしているのを薄っすらと感じます。これが劣化なのか発展なのかは微妙なところなのでしょう。我々が価格の安さによって受ける恩恵がある訳ですから。昨今話題のエネルギー問題でも、企業に安さを追求させる(原価高騰分の料金転嫁を認めない)と結局のところ供給信頼度を下げることになる(在庫などの余裕を持たない業務運営になる)ため、例えば電気で言えば最終的には停電頻度の増加という不利益が生じますが、料金の安さに価値があるとするならばそれでもよしという考え方ですね。

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