遅れ先立つほどへずもがな

  きらきら輝き覚えた 君を見上げるように

高速道路合流と物理学

高速道路のインターチェンジなどで合流する際、特に高速道路ではなく都市高速(首都高、阪神高速など)では高架下の一般道のレベルから坂を登って合流するという場面が普通だと思います。この時、本線側の流れは60km/h以上であることが当たり前なので、合流側もそこまで加速していなければなりません。しかも、本線側から見ると合流車はエスカレータを横から見ているように、突然ぐぐっと現れてくるものであり、合流側からもまた本線上の車は見えません。

こんな条件でスムーズに合流するためには、本線側、合流側ともに速度を60km/hに合わせ、しかも合流用に1台分の間隔を空ける必要があります。間隔を空けるのは合流側も同じく必要で、合流する前車との間隔が車1台を余裕で入れられる程度に空いていなければ、本線上に出たときに自分が合流する余地がないことになります。

この辺の当たり前の理屈が分かっていない運転手が多いようで、十分加速している合流車が自分の前に出た状態で合流して来たとき加速したり、前車との間隔をわざと詰めていたり、もともと制限速度を逸脱する速度で走っていたりする車が少なくありません。また、合流側も同じで、上りながら合流するので速度を十分に上げられなかったり、低速で合流しようとしている前車とだんごになって本線に出る車もあります。

結局のところこのような下手な運転者のせいで、合流車の量が多いインターチェンジでは朝夕は慢性的に渋滞することになり、社会全体の効率を著しく低下させているのです。運転免許の更新時には物理学の試験も行うことにすればこの合流による渋滞や事故だけでなくその他にも解決する問題がたくさんあると思います。

何もそんなに難しい問題でなくていいはずです。高校物理ができれば十分だと思うのですが、何か実現できない理由があるのでしょうか。2020年の国勢調査の結果によれば、最終学歴が高校以上の人口の割合は85.9%であり、50歳代以下に限ればどの年代も90%以上が高卒以上の学歴を持っています。この結果からもまったく不可能はないはずです。へっ、高校では物理は必修ではない?そんな馬鹿なことが許されるはずはないので、誤った記憶でしょう。

もしかすると、以前に書いた「最低学力テスト」は必要なのかもしれません。

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